あなたは一眼レフカメラで写真を撮る時はどのようにピントを合わせていますか。
一眼レフカメラでは、AF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)がありますが、AFは便利な機能なので、もっぱらAFを利用しているという方も多いのではないでしょうか。
でも、家に帰ってきて写真を見てみると思い通りのところにピントが合っていない、ピントが甘い、また、撮影中でもとピントが合わないいう悩みはありませんか。
せっかく、いいアングルを狙って写真を撮ってもピントが合っていなければ台無しになってしまいますよね。
この記事を読むことによって、一眼レフカメラのピントが合わない・甘い原因と合わせ方のコツが分かり、ピント合わせに悩むことがなくなります。
一眼レフカメラのピントが合わない・甘い原因
被写体との距離が近すぎる
一眼レフカメラに使うレンズには、それぞれ「最短撮影距離」というものが決まっています。
「最短撮影距離」は文字通り被写体までの最短で撮影できる距離のことで、それよりも近づいてしまうとピントが合わなくなります。
カメラ初心者のうちは、撮影に熱中すると被写体に近づきたくなるものですが、近づき過ぎるとピントが合わなくなる場合があります。
「最短撮影距離」は使用するレンズごとに決まっていますので、ピントが合わないということにならないために、あらかじめ確認しておくことが必要です。
なお、最短撮影距離はレンズの焦点距離を示す数値とは違います。
最短撮影距離は、レンジの次のようなところに表示されています。
・レンズを真正面から見たときのレンズの周辺
例えば、「∞-0.28m/0.92ft」と表記されていたら、無限大から28cmの間で撮影ができるという意味で、最短撮影距離は28cmです。
・レンズの胴の部分
レンズを真正面から見たときのレンズの周辺に表記がなかったら、レンズの胴の部分に同様な表記がないかを探します。
・絞りを回す部分
レンズによっては、絞りを回す部分に∞から〇〇の表示がありますので、最短距離に回し切った位置に表示されるのが、最短撮影距離です。
AFではなく、MFの設定になっている
一眼レフカメラのフォーカスモードには、自動でピントを合わせるAF(オートフォーカス)と手動でピントを合わせるMF(マニュアルフォーカス)が設定できるようになっています。
この設定スイッチが知らぬうちに何かに触れて動き、AFだと思っていたのがMFになっていた場合もピントが合わない原因となります。
レンズとカメラ本体との電子接点の接触不良
AF(オートフォーカス)のレンズでは、AFを作動させるための電子接点がありカメラ本体と電気的にもつながっています。
カメラを使っているとシャッターが切れなかったり、AFが動かなくピント合わせができない現象にあうことがありますが、このようなときはレンズとカメラ本体との電子接点の接触不良も考えられます。
多くはレンズをいったん外して装着しなおすと直ることが多いです。
それでもだめなら、レンズとカメラ本体との電子接点をエタノールで清掃するとよくなる場合もあります。
ピントを合わせたい被写体にフォーカスポインが合っていない
AF(オートフォーカス)は便利な機能ですが、被写体によっては万能ではありません。
例えば、2人並んで写したときは、人物ではなく背景にピントがあってしまうときがあります。
AFでは、被写体のどこにピントを合わせるかのフォーカス枠がカメラごとに決まっています。
被写体がこのフォーカス枠にあれば、どれかを選び自動的にピントを合わせます。
でもフォーカス枠の中にピントの対象になる被写体がたくさんある場合は、どれに合わせていいのか迷います。
例えば、一面に咲いた花に対してある程度接近して写そうとするときは、ピント合わせのフォーカス枠には手前の花もあれば、その奥にも花があるようになります。
このような場合は、オートフォーカスは手前にあるものにフォーカスを合わせます。
また、被写体を画面の真ん中でなく右か左に寄せて撮ろうとしたときも被写体がピント合わせの枠から外れるため、うまくピントが上手く合わない場合があります。
フォーカス枠がどこにあるように設定されているのかを、撮影するときには確認するようにしましょう。
ピントが合わないでなく、実は手ブレ
ピントが合わない・甘いと感じるものに似た原因に手ブレがあります。
手ブレはカメラのシャッターを切った時にカメラが動いてしまい、画像がぼけてしまうことです。
手ブレはピントが合っていないようにも見えるので、手ぶれなのかピントが合っていないのかを見分けるのが難しい場合があります。
見分け方は写真を拡大してみて、上下左右方向にズレがあれば手ブレ、全体にピントが甘ければピントが合っていないと判断します。
手ブレの原因はシャッタースピードと関係し、シャッタースピードが遅いほど手ブレが起こりやすくなります。
手ブレについては、こちらの記事も参考になります。↓
「一眼レフカメラの手ぶれを防止する持ち方・構え方、ISO感度を上げる方法でも防止
できることを解説」
オートフォーカスがピントを合わせにくいシーン
AF(オートフォーカス)は便利な機能ですが、万能ではなくシーンによってもピントがなかなか合わなかったりして、結果的にピントが合ってなかった・甘かったということが起こります。
その理由は、シーンによってカメラのAFが正しい距離を測ることができなくなるからです。
AFが苦手とするシーンには次のようなものがあります。
暗い場所
AFはカメラに入ってくる光を使って距離を測る場合が多いので、実際は見えていてもピント合わせができにくい場合があります。
カメラによっては暗くてもピント合わせができるように補助光で照明できるようにするのもあります。
同じ色の重なりが多く、コントラストが低い
雲一つない青空、一面の雪景色など同じ色の重なりが多く、コントラストが低い場合もピントが合いにくくなります。
ビルの窓など繰り返しパターンが連続するシーン
ビルの窓など規則正しいパターンが連続するシーンもピント合わせが苦手です。
動きが速い
被写体が動いている場合もピントを合わせるのが難しいです。
もし、お持ちのカメラにコンティニュアスフォーカスモード(AIサーボの呼称も)があれば、動いている被写体に連続してピントを合わせてくれます。
メインとする被写体の手前に何かある
フォーカスエリアの中に距離の異なるものが混在している状態もピントは合わない、合わせにくいので要注意です。
例えば、手前に柵がありその隙間から見える被写体や木の葉の間から奥の景色を撮ろうとする場合などに発生しやすくなります
また、ガラス越しに撮影する場合もピントが合わなくなる場合があります。
明るい被写体 、逆光になっている被写体
宝石、水面などのきらきら輝いている被写体、点滅、光沢のある被写体も反射光がフォーカスエリアに入るとピントが合わせにくくなります。
一眼レフカメラのピントを合わせるコツ
オートフォーカス枠にコントラスト差があるものを入れる
前節でも説明したように被写体のコントラストが低い場合は、ピントが合いにくいので、オートフォーカス枠にコントラスト差があるものを入れるのが基本です。
オートフォーカス枠はカメラによって異なりますが、オートフォーカス枠のモードが変更できるのなら、シングルポイント設定からゾーンでピントが合うように変更します。
このような変更ができなかったり、いちいち変更するのが面倒な場合は、コントラスト差があるところにオートフォーカス枠を合わせ、シャッターボタンを半押しし、そのまま写したい構成画面に戻してからシャッターを切ります。
この方法は、フォーカスロックといって、シャッターボタンを半押ししている間はピントが合い続けます。
フォーカスロックで上手にピントを合わせる方法
前節で説明したフォーカスロックは、その他にも活用できます。
例えば、メインの被写体を右か左に寄せて撮りたい場合は、オートフォーカス枠から外れ、メインの被写体にピントが合わない可能性があります。
また、木の葉のすき間から見える遠景を写す場合なども、前景となる木の葉はフォーカス枠に入らないようにして遠景にピントを合わせます。
その後、シャッターボタンを半押し状態で元の構図に戻すと、木の葉にピントが合わないで、遠景にピントが合った写真を撮ることができます。
そんな時はフォーカスロックを利用すると、上手く撮ることができます。
この時の注意点としては、被写体とカメラの距離が変わらないように平行に動かすことです。
オートフォーカスでピントが合わなければマニュアルフォーカスで
同じ色の重なりが多くコントラストが低い場合などで、いろいろやってみたがどうしてもオートフォーカスではピントが合わなければ、マニュアルフォーカスを使ってみましょう。
オートフォーカスはレンズの横にあるAF、MF(マニュアルフォーカス)の切り替えスイッチで
MF側にすることでできます。
MFではファインダーを見ながらレンズの外側のリングを回して、被写体がはっきり見えるまでピントを合わせます。
ピントがあっているかよく分からないという場合は、モニター画像を表示させ画像を拡大して合わせると楽です。
ピント合わせが終わったら拡大表示をもとに戻してから、露出を確認しシャッターボタンを全押しします。
一眼レフカメラのピントが合わない・甘い原因と合わせ方のコツのまとめ
一眼レフカメラのピントが合わない・甘い原因で多いのは、
・被写体との距離が近すぎる
・ピントを合わせたい被写体にフォーカスポインが合っていない
・オートフォーカスがピントを合わせにくいシーン
と思います。
ピントが合わない・甘いときは、その原因をつかみ一眼レフカメラの特性を理解すれば、ピント合わせに悩むことなく上手にピント合わせができるようになります。
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